(2004) 剃刀のようなエッジィなデスラッシュを繰り出すスウェーデンのデスメタルバンド。 グルーヴィに乗ったアタック、ドライブ感をもたらす高圧力のサウンドはピーター・ドルヴィンの復帰作に相応しく、一般的なデスメタルより、楽曲のバラエティが豊かなマテリアルとなっている。 前作でヴォーカルを勤めたマルコは典型的なブルータルなデスボイスであるが、反面ピーターはシンプルな叫び声に近く、熱を帯びた哀愁あるバラードやのびやかな歌を聞かせたりする表現が多彩なヴォーカリストである。 ギラついたドス黒さは減ったが、突き抜けるような明快さや、ストレートに耳に訴えるパワーは研ぎ澄まされたと言える。 バーナーで焼き切ったような焦げ付いたエフェクトと中東っぽいフレーズもじんわりとした手に汗を握る焦燥感と高揚感を抱く。 余談ではあるが、Sweet reliefの歌詞に「ばかげた趣味の日本女子みたいに」とあるのは、どう意味なのか気になる。 Best track:All against all、99 [youtube]https://www.youtube.com/watch?v=KX1LBADDICk[/youtube]
〔1994〕 米国の重鎮インダストリアルメタルバンドの異色のデビュー作。 バタバタと回転する換気扇や工業音のような、無機質な打撃音とともに浮遊感あるタフでマッチョなヴォーカルが絡むという不思議な感覚が脳天を突き抜ける。 特筆すべきはスラッシュメタル直系の、他のインダストリアルメタルより特に目立つ硬く鈍重でガチガチの緊迫感のあるリフの嵐である。その波間に空間的な距離を感じるデジタルエフェクトやシンセを流しこみ、終末観ある強烈なディストピアSFが堪能できる。 彼らの重厚な世界観は、昨今のエレクトロニックコア寄りのヘヴィミュージックに少しチャラさや物足りなさを覚える人にも文句なしの濃い仕上がりであろう。 筆者が持っているのはボーナストラックがついているカナダ、オーストラリア版で、Fear factoryの作風とは若干異なる毛色のパンクっぽいバンドのカバー、ショートトラックが二曲ついている。 Best track:New Breed、Demanifacture [youtube]https://www.youtube.com/watch?v=7RJsRQOneMY[/youtube]
(2004) のべつまくなしに鋭利に耳をつんざくこのアルバムはスウェーデンのハイスピードキラーマシンIMPIOUSが 無辜のリスナー達に嗾けた4枚目。 最初から始まり最後の鐘の音に終わるまで、加減なしに全てを切り裂くブラックな破壊力に満ちており、 逃げ惑うものも、立ち竦んでいる者も誰もいとわず、飢えた獣が襲い掛かる。 メロディもメロデスというほどではないが、過剰にメロディアス過ぎずブルータルさを殺さないほどよい按配で打ちこめられている。 ほぼ3分台のスラッシーな曲がほとんどであり、ラストトラックのみ9分の台詞つきのナンバーがある。 Best tracks: wicked saint [youtube]https://www.youtube.com/watch?v=6xbTgZQRNDY&feature=kp[/youtube]