nu-metal

  • Korn-Follow the leader

    (1998) 無音のトラックが大量に流れたのち、重低音に腰を据えたイントロから始まり、アルバムのほとんどにいたってこの調子で続く。 そこにはスピーディなギターソロもハイトーンヴォーカルも存在せず、ただ底を撫でるような泥臭くロー・ミドルなテンポと音色、祈祷的な呪文が場を支配する。 闇にじっと潜み、喰らいつく隙を窺ういつ襲い掛かるか定かではない正体不明の『何か』と対峙した時に感じる、じりじりとした小気味の悪い緊張感、興奮のあまりにじわりと滲む脂汗。 そこでは即物的で、刹那的なストレスではなく、一触即発の長く、いつ終わるか知れない途方もない遠い地獄がある。 それが最後のトラックを終えた後やっと途切れるのだが、我々は果たしてこの先の見えない旅路から開放されたのだろうか。なんとも感触の悪い後味を残すアルバムだった。 Children of the Kornにはアイスキューブも参加。どんよりしたムードにさらなるタイトな抑揚を与えている。 Best track:Got the life、Freak on a Leash [youtube]https://www.youtube.com/watch?v=VAWjsVoDpm0[/youtube]

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  • Static-X-Wisconsin Death Trip

    (1999) アメリカ・カリフォルニア州ロサンゼルス出身インダストリアルメタルバンドの1stアルバム。 まず、目を惹くのがみつあみにしたヒゲと逆さまに立てた昔のBuck-tickのような髪型のバンドのvoにしてリーダー、ウェイン・スタティックの強烈なヴィジュアルとキャラクターがこのバンドの魅力をかきたててるのは言うまでもない。 そして、コーイチ・フクダ氏という大阪出身の日本人が在籍していること。自分のやりたい音をやるために単身米国に渡ったそうで。 エビルディスコの自称に違わず、ダンサブルな鋭角リフのメタルが大半を占めている。ダークだが、アッパーかつハイテンションの激烈ビートで視聴者の休む隙間を与えない。 SEやエフェクトが添えられたエレクトロニックな部分がありつつも、その音楽性はNINよりロブ・ゾンビに近く、ロックよりもっとメタル寄り。 例外としてメタリックな要素が薄い一曲もあり、末尾のエレクトロニカ風のDecemberはライブ終盤のチルアウトに程よく効くのを思う想像に難くない。 同バンドは2010年にすでに解散しており、ウェイン・スタティックのソロを挟んだのち、二年後にウェインと別のメンバーによって一時的に再結成したが、上手くいかなかったようでわずか一年で瓦解。 ちなみにタイトルの元になっているウィスコンシン・デス・トリップとはミカエル・レジーによるノンフィクション作品のこと。 Best track: I’m With Stupid、Love Dump、December [youtube]https://www.youtube.com/watch?v=nqiVvOXotyw[/youtube]

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